息をしているだけで暑い季節、夏。
熱帯夜に寝付けず、布団の上でゴロゴロしていたらどんどん汗が出てきて余計に眠れなくなった…なんて経験に誰もが一度は苦しんだことがあるのではないでしょうか。
体質などにより、汗をかきやすという方から、多汗症や更年期障害でお悩みの方まで、さまざまいらっしゃると思います。
日中の汗は、タオルで拭いたり、シャワーを浴びるといった方法でなんとか対処しているけれど夜眠っているときにも汗をかくから、汗の不快感で目が覚めてしまう…とお悩みの方もいらっしゃるのでは?
そもそも私たちは、どうして汗をかくのでしょうか。
私たちは、汗をかくことで体温調節を行っています
真夏になると、40℃にも届きそうなほど、暑い日がありますよね。
反対に寒い冬では、氷点下を下回る気温が各地で観測されています。
季節によって気温は大きく変わりますが、私たちの身体にはつねに一定の体温が保たれるしくみが備わっています。
外の気温に合わせて体温が変化していたのでは、人間は生命を維持することができなくなってしまいます。
人間は暑い日や寒い日にも、汗をかくことで体温を調節しています。
いわば生命活動の一環として、汗をかくのです。
汗腺から分泌された汗は蒸発し、皮膚の熱を奪います。
これを「気化熱」と呼びます。
気化熱によって皮膚の熱を奪うことで、体温を適切な温度まで下げているんですね。
インフルエンザなどの病気にかかって高熱が出たり、あるいは発表会やお仕事の場で緊張しているときに汗をかくのは、上がってしまった体温を下げるため。
いわば生命活動の一環として汗をかいていると言えますが、このしくみは昼夜を問わず、つねに働いています。
寝汗をかくことによって睡眠の質を保っている
眠っているあいだにどれだけの汗をかくかご存知でしょうか。
私たちは眠っているあいだ、コップ1杯程度の汗をかくと言われています。
寝汗の役割も、日常活動しているときにかく汗と同様で「体温を下げる」役割を担っています。
しかし、日中かく汗と違い、寝汗は正常な体温を「睡眠に最適な体温」まで更に下げるため、分泌されます。
私たちの体温は室温などによっても左右されてしまいますが、寝具によって調節することが可能なんです。
睡眠時に最適な体温へと調節してくれる寝具選びのポイントは、こちらの記事で詳しく説明していますよ。
「ホットフラッシュ」による大量の寝汗
いわゆる「更年期」に入ってから汗をかきやすくなった…。
夏でもないのに、大量に汗をかいてしまう…。
と、「更年期の多汗」にお悩みの女性は、じつは大勢いらっしゃいます。
多汗は更年期障害のひとつで、「ホットフラッシュ」により引き起こされる症状。
ホットフラッシュが起きると、気温とは関係なく顔や身体が熱く感じられ、のぼせたような状態になります。
同時に、激しい運動をしたわけでもないのに、大量の汗をかいてしまいます。
原因は、更年期に入ったことにより卵巣の機能が低下し、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少するため。
エストロゲンが十分分泌されないにも関わらず、脳は今まで通りエストロゲンを分泌するよう、下垂体に指令を出します。
しかし、指令を出し続けているのも関わらずエストロゲンが分泌されないため、「どうして分泌してくれないの!」と脳の視床下部は混乱状態に。
脳の視床下部は女性ホルモンの分泌だけでなく、自律神経もコントロールしています。
そのため脳の視床下部が混乱状態になると、自律神経のバランスが乱れ身体のあちこちに不調が生じてしまうのです。
ホットフラッシュは時間を問わず、突然その症状に見舞われることが多く、日中活動しているときだけではなく、夜、就寝してからも発症します。
朝起きたとき、パジャマやシーツが濡れていた、という経験をされたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それも、ちょっと湿り気を感じる程度ではなくお風呂上りに身体を拭かず、そのままお布団に入ったのかというくらい。
以前と比べて寝汗の量が増えたと感じているのであればそれは、ホットフラッシュの症状のひとつ。
使用している寝具の素材によっては不快感をさらに大きくしてしまっているかもしれません。
また、大量の寝汗が沁みこんだパジャマや寝具に長時間触れていることで、肌トラブルの原因となってしまうこともあるでしょう。
注意したい肌トラブルは、「あせも」ではなく「汗荒れ」
大量に寝汗をかいてしまうことによって心配なのが肌荒れの症状。
なかでも特に注意したいのが「汗荒れ」です。
お肌に赤いブツブツができてしまうことからかゆくなる、というイメージが強「あせも」ですが、実はあせもはほとんどかゆみを伴いません。
お肌が赤く、かぶれたようになりかゆみや痛みを伴う場合、それは「汗荒れ」かもしれません。
汗をかいて、その汗が蒸発したあと、汗に含まれている塩分やアンモニアといった成分が肌を刺激し、かゆみや痛みを伴った炎症を起こします。
また、刺激によってかゆくなってしまうのは、肌のバリア機能が低下している証拠です。
「汗あれ」は身体だけではなく顔、首やひじ・ひざの内側、衣類やおむつなどがこすれる部分に起こりやすく、子どもから大人まで誰にでも起こる可能性のある肌トラブルのひとつ。
寝汗によって「汗荒れ」を起こさないためにも、つねに触れ合っている衣服や、睡眠中身を預けている寝具などの素材は通気性に優れ、肌に刺激を与えない、やさしいものを選ぶ必要があります。
こちらの記事では、お肌にやさしい素材をご紹介しています。
>敷布団カバーの「テンセル®を使用したマトラッセ」の特徴をご紹介
寝汗対策には、肌に触れる素材選びが重要!
身体に汗がまとわりついた感覚というのは非常に不快ですよね。
明日も予定があるのに、汗の不快感で目が覚めてしまった。
その後再び寝付くことができなくなってしまって…という経験で苦しんだことのある方もいらっしゃると思います。
パジャマや下着の素材には、「綿」が用いられていることが多いですよね。
綿は汗を吸ってはくれますが、乾きにくいため、汗っかきの方やホットフラッシュに悩む方にはおすすめできません。
不快な寝汗でお悩みの方には、汗をよく吸い、すぐに乾いてくれる素材がおすすめです。
睡眠のため、お肌のため。
毎日触れる素材にこだわって、快適な生活を!