- ★ ダニを退治する前にダニについて知りましょう
- ☆ ダニを退治したら繁殖しにくい環境を維持することが大切
- ★ アレルギー発症しない程度までダニの数を減らし維持する
ダニを退治する前にダニについて知りましょう
普段私たちが、睡眠を取るときに使っている敷布団。
きちんとお手入れはしていますか?
・天日干しをする
・掃除機をかける
・布団乾燥機を使う
・丸洗いをする
・消臭剤を使う
自宅でできるお手入れ方法をいくつか挙げてみました。
どの方法も敷布団を清潔にするために行うものですが、多くの人が気になることといえば…
「ダニ」です。
ダニはほとんど人の目には見えません。
どれだけ敷布団をお手入れしても、ダニは退治できたのか?どれくらい敷布団に残っているのか?肉眼で判断するのが難しく、だからこそ気になります。
近年はアレルギーに悩まされている方も増えています。
小さいお子様がいる親御さんやペットを飼われているご家庭は、特に気になる方が多いのではないでしょうか。
そんなダニについて、知識を深め、退治方法、また繁殖を防ぐ術を学んでいただき、快適な睡眠と健康に役立ててもらえればと思います。
「家の敷布団は大丈夫だろうか?」「なんだか体調が優れない気がする…もしかして、今寝ている敷布団に原因があるのかな?」と心配な方は一度読んでいただき、すぐにダニ対策を実践しましょう!
ダニは掛け布団よりも敷布団の方が数が多い
今回は「敷布団にいるダニが気になる」ということで、同じ布団でも掛け布団より敷布団に焦点を当てていますが、掛け布団には全くダニがいないという訳ではありません。
もちろん、掛け布団にもダニは生息していますので、お手入れは必要です。
しかし敷布団は掛け布団に比べて、ダニのエサとなる人間の老廃物が溜まりやすく、またダニの生育に重要な湿気についても、敷布団の方がより寝汗を吸収して湿度が高くなりやすいため、ダニにとっては掛け布団よりも敷布団の方が、より快適な環境と言えるのです。
ダニがアレルゲンとなり様々な病気を引き起こす
ダニは「節足動物門鋏角亜門(きょうかくあもん)クモ網ダニ目」に属する動物の総称です。
体長1㎜以下のものが多く、全世界で約2万種類とも言われており、形態・生態ともに非常に多様性に富んでいます。
生態についてはまだ分からない部分もあります。
今回は、敷布団に多く潜んでいるダニの種類に絞って見ていきましょう。
・チリダニ
家庭の布団・絨毯などをはじめ、人間の住んでいるあらゆる場所に生息するダニです。
人間を噛むことは無いのですが、死骸・抜け殻・糞が、強力なアレルゲン(アレルギー の原因となる物質のこと)として作用します。
・ツメダニ
人間を噛むダニです。(吸血はしません)
チリダニを餌としているので、チリダニが多くいる場所に生息しやすく、特に夏場に多く発生します。
人間の生活と最も関わりが深いのは、チリダニです。
アレルゲンは、鼻炎・ぜん息・アトピー・結膜炎・皮膚炎などの様々な症状を引き起こします。
チリダニは大きさが0.1〜0.3㎜程度で厚みは十円玉の100分の1程です。
よほど注意深く観察しないと肉眼で見つけることはできません。
隠れられる場所を好み、人前に出てくることは基本的にありません。
「湿度」と「温度」がダニの生育に大きく影響
チリダニは、人間が住んでいるあらゆる所に生息していると言われています。
チリダニの生息に適した場所は、私たちが普段生活している環境とほぼ一致しているのです。
チリダニの生育に大きく影響するのは「湿度」と「温度」が挙げられます。
湿度:60〜80%
温度:25〜30℃
これがチリダニにとって最も繁殖しやすい環境だと言われています。
私たちが普段暮らしている、特に夏場の状態にとても近いですよね。
敷布団は寝ている間に汗をかいて湿度が上がりやすい場所です。
チリダニにとって、最高のすみかと言える訳ですね。
布団の他にも、ソファー・カーペット・カーテンなどの布製品にも多く生息しています。
ツルツルした場所よりも繊維が密集している場所(布や毛でできた製品)の方が住みやすいのです。
人間から出る老廃物がチリダニのエサになる
チリダニの主食は、人間のフケやアカです。
人間の体からは目に見えるフケやアカはもちろん、皮膚の表面が剥がれたとても小さな“かけら”が常に出ていて、周囲に落ちています。
その“かけら”を主食として、チリダニは繁殖します。
人間が長い時間を過ごす場所である敷布団やソファは、まさにチリダニのエサの宝庫です。
ダニは何もせずに放っておくと膨大な数に増える
チリダニの寿命は、2〜3ヶ月と言われています。
卵からかえって約2〜3週間で成虫になります。
メスが死ぬまでに産む卵の数は50〜100個と言われています。
糞は1日に6個程度します。
強力なアレルゲンとして強く作用する、死骸・抜け殻・糞。
生きているダニや卵も含めると相当な数に増えることはお分かりでしょう。
ダニに刺されたときの対処法
チリダニは人間を刺すことはしませんが、家の中で人間を刺すダニとして最も多いのは、ツメダニ・イエダニです。
朝起きてかゆみがあった・刺された跡があった、と言う経験をお持ちの方も多いでしょう。
このような症状があった場合、「これは蚊に刺されたのか?それともダニなのか?」と、判断に迷いませんか?
完璧に見分けるのは難しいところもありますが、蚊は刺されるとすぐにかゆみが出るのに対し、ダニは、刺されてから遅れてかゆみや腫れが出ることがあります。
ダニは蚊と比べて、かゆみや跡が引くのにとても時間がかかることも多いです。
激しいかゆみが数日間続いたり、跡も長く残ります。
小さいお子さんは搔きむしることも多いので、細菌による二次感染を引き起こすケースも珍しくありません。
ダニに刺されたら、まず患部を清潔にしてください。
汗や汚れが付いたままだと、細菌が入ったりかゆみが増す原因にもなります。
市販薬を使用する場合は、薬に書かれている説明書を読んで、ダニに効果があると書かれている薬を使用してください。
ダニと蚊の両方に効く薬を普段から用意しておくと便利かと思います。
※刺されたときに出る症状には個人差があります。
判断が難しい場合は安易に市販薬を使わずに病院を受診してください。
ダニを退治したら繁殖しにくい環境を維持することが大切
ダニについて調べていくと少し恐ろしくなってきますが、正しく対策すれば一匹残らず退治することは不可能でも、敷布団のダニの数を減らすことはできます。
ダニが繁殖しにくい環境を作る
チリダニは湿度と温度が生育に大きく影響する、と上記でお話しましたが
湿度:50%以下
温度:20℃以下
という環境では、チリダニは繁殖しにくくなります。
特に湿度については、チリダニは50%以下では生育できないことが分かっています。
この環境を一年中、常に維持するのは大変難しいですが、例えば
・エアコンで除湿をする
・湿気がこもらないように、掛け布団は敷布団の上に広げておかず、二つ折りに畳む
・除湿シートを敷いておく
など簡単にできることもたくさんあります。
チリダニのエサとなる “人間のフケやアカなどを出さない”ということはできませんが、こまめに取り除くことはできます。
エサが少なくなれば、当然ダニの数も減ってくるはずです。
ダニを殺して数を減らす
ダニは、50℃以上の高温の環境に一定時間置かれると死滅すると言われています。
敷布団と言えば、「天日干し」をするという方も多いと思いますが、天日干しでは真夏を除いて50℃以上はまず上がらず、ダニを殺すことはできません。
しかし、ダニの生育に大きく関わる「湿気を取り除く」という点では、効果が期待できます。
そこで50℃以上の高温の環境を作るために、また敷布団の湿気を減らすのにオススメなのが「布団乾燥機」を使うことです。
布団乾燥機をかけて敷布団の内部が熱くなると、ダニは敷布団の表面に出てきて死にま す。
布団乾燥機をかけ終わったら、必ず掃除機で、敷布団の表面に出てきたダニを吸い取りましょう。
アレルゲンがより強力なのは生きているダニよりも死んだダニ・糞なのです。
また掃除機をかける際は、なるべく丁寧にかけましょう。
ダニは布や毛の繊維と絡まって、簡単には取れないためです。
ダニが特に付きやすいと言われている、寝具の頭部分から下に向かってゆっくりかけるとよいでしょう。
掃除機は、布団専用のヘッドがオススメです。
新たに専用の布団クリーナーを購入するのももちろんよいですが、費用がかかる・新しく買い足しても収納場所が無い、などの場合はお持ちの掃除機のヘッドを付け替えて使えるノズルのみを購入するのもオススメです。
布団専用のノズルなら、布団の布を巻き込みにくいようになっていたり、布団の繊維に絡み付いたダニやその糞などを叩いて掻き出す機能が付いているものもあります。
布団専用の掃除機を購入するよりは、費用・収納場所ともに抑えることができますね。
また手軽な方法として、ストッキングを普段使っている掃除機のヘッドにかぶせると、布団の布が巻き込まれるのを防ぐことができます。
掃除機のヘッドと布団の間にストッキングを一枚挟むことで、普段使っている掃除機ヘッドをそのまま布団に使うのは抵抗がある、という方にもよい方法だと思います。
敷布団を丸洗いする
洗濯機で敷布団を洗うだけでは、生きているダニを駆除する効果はあまり期待できません。
しかし敷布団を洗うことで、死骸・糞・抜け殻・卵、またダニのエサとなる人間のフケ やアカを落とすことができるため、繁殖にブレーキがかかります。
卵を洗い流せば、新たに産まれる数も減らすことができます。
全ての敷布団が丸洗いできるわけではありませんので、お手持ちの布団の選択表示を確 認して、洗える布団をお持ちの方はぜひ洗ってみてください。
洗った後は、しっかりと乾燥させてください。
お持ちの敷布団が洗える敷布団ではなかった…という方、こちらの敷布団は丸ごと洗えます!
くじめ屋の【すごい敷き布団】
通気性に優れていて熱がこもりにくいので、湿気が高くなるのを防ぐ効果もあります。
ダニの生育に大きく関わる、湿気を抑えることにも繋がりますね。
またホコリが出にくい構造になっていて清潔!カビや細菌の温床になりにくく、衛生的に使用することができます。
アレルギー発症しない程度までダニの数を減らし維持する
・人間から出る老廃物がダニのエサとなる。
布団は掛け布団に比べると、敷布団の方が寝汗も含めて老廃物を吸収する量が多く、湿気も溜まりやすいため、ダニの数が多い。
・ダニの生息に適した環境は、私たちが普段生活している環境とほぼ一致している。
特に夏場の環境に近い、高温多湿を好む。
・ダニの生育に重要なのは「湿度」と「温度」。
部屋を、湿度:50%以下・温度:20℃以下にすることでダニの繁殖を防ぐことができる。
・こまめに布団乾燥機をかけて湿気を減らし、布団の内部を高温(50℃以上の高温の環境に一定時間置かれると死滅すると言われている)にすることによってダニが布団の表面に出て来るので、乾燥後、外に出てきたダニを掃除機で吸い取る。
いかがでしたか。
ダニを全て駆除することはできませんが、「アレルギーが発症しない程度まで、敷布団のダニの数を減らし、その状態を保つ」ことは可能です。
一度対策をすればそれで終わりではなく、ダニを殺して数を減らす(死骸、抜け殻、糞は強力なアレルゲン物質)そしてダニが繁殖しにくい環境を作り、それを維持する。
これを定期的、また継続的に行うことで、ダニによるアレルギー対策になり、またすでにアレルギーをお持ちの方は、今以上ひどくなるのを防ぐためにも有効です。
健康のために、清潔な敷布団をキープしましょう。